らららクラシック
ワグネリアンの生きざま
究極のワグネリアンといえば、バイエルンの国王、ルートヴィヒ2世(1845~1866)です。彼は、幼いころにみたオペラ「ローエングリン」に魅了され、国王に即位すると真っ先にワーグナーのパトロンを名乗り出ました。直後にプロイセンとオーストリアの戦争に巻き込まれ、国が危機的な状況に追い込まれても、まるで現実逃避をするかのように国家予算をはたいてワーグナーのオペラの世界を再現するノイシュヴァンシュタイン城の建設に取り掛かります。しかしこの城の建設によって国は財政危機に陥り、彼は国王の座を追われます。ワーグナーの音楽が彼の国も人生も破滅させてしまったのです。