らららクラシック

複雑な見た目のオーボエ

メロディー奏でることが多く、切なくも素敵な音色を持つオーボエ。しかし、その見た目はとても複雑です。実に400~500個もの部品からできており、表面を覆いつくす穴を押さえるためのキーは25個もついています。その複雑さは、祖先となったルネサンス期の「ショーム」、バロック時代の「バロックオーボエ」、そして現代の「モダンオーボエ」と改良が重ねられるうちに、生み出されていったのです。遠くまで聞こえる繊細できらびやかな、洗練された音を求めた結果ともいえるでしょう。

「もっとも難しい楽器」といわれる理由

オーボエの難しさの秘密は、「息を吹き込む管の細さ」にあります。音を出すために、口の周りに力を入れ、高い圧力が掛かった息をわずか4mmの管に吹き込むのです。続いての難しさはオーボエの音を発生させる「リード」にあります。まるで草笛のような音のするリード、しかし音を鳴らすことは一筋縄ではいきません。わずかな力加減、口に挟む場所を調整し、音を鳴らだけでも一苦労なのです。

オーボエの要「リード」

簡単に音が出ないいじわるなリード。そんなリードと仲良くなるためにオーボエ奏者はリードを自ら作ります。リード用に栽培された「葦」を輸入し、そこからの作業はまさに職人技。いくつかの専用の機械を使い、実に様々な工程を経て、最終的には手作業で微調整を続け、リードは作られていきます。時間と愛情をかけた完成したリードは、唯一無二のものです。