らららクラシック
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」作曲の謎
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」はドイツ語で「ひとつの・小さな・夜の音楽」という意味。「ナハトムジーク」は多くの場合、親しい相手から贈られる「音楽のプレゼント」でした。夜、貴族や高貴な人々の館の前で贈り物として野外演奏される軽い曲。しかし、モーツァルトが誰のために作ったのか、わかっていません。その謎を探るため、阿佐ヶ谷姉妹が取材に出かけます。
研究の最前線から浮かび上がる男の友情物語
モーツアルト研究の第一人者 西川尚生さん(慶應義塾大学 教授)の研究室を訪ねます。そこで見えてきたのは、忙しくて時間がないとなるとむしろ集中してひらめきが冴えるという天才モーツァルトの姿。大作オペラ「ドン・ジョバンニ」執筆と同時期に、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」が書かれました。そして、この曲が モーツァルトの親友のお父さんのために書いたのではないかという興味深い学説を紹介。モーツァルト研究最前線から、愛情にあふれた人間臭いモーツァルトの姿が浮かび上がります。
アキラ流「アイネク」の味わい方
作曲家 宮川彬良さんが独自の視点で「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」を分析。この曲は「下がるモチーフが重要」だとアキラさんは言います。「下がる音の繰り返しはまるでモーツァルトの愚痴のよう。ささいな事柄に一喜一憂するモーツァルトの人間臭い一面が見えるかのよう・・・」。「音の上がり下がりに一喜一憂する」という斬新な音楽の楽しみ方を、アキラさんがピアノを弾きながら愉快にお伝えします。みなさんも、自由な物語を思い浮かべながら演奏を楽しんでみてはいかがでしょう?