らららクラシック

クエスチョン特集①今回と次回はクエスチョン特集!
みなさまからの疑問、質問に、プロのオーケストラの実演を交えて、お答えします。1回目の今回は楽器編!作曲家の宮川彬良さんとともにオーケストラの音色の秘密を徹底解剖します。

オーケストラにはどんな楽器があるの?

オーケストラは、弦楽器、木管楽器金管楽器、打楽器の4つのグループからできています。各グループは全く違った音色を持っており、いろいろな楽器が組み合わさることで、オーケストラが奏でる幅広い音色が作り出されます。

作曲家の方は自分が演奏したことが無い楽器のパートはどのように作曲するの?

ゲストの宮川彬良さんによれば、作曲家は日々勉強。天才と呼ばれる作曲家たちも、優れた演奏者にアドバイスをもらいながら作曲しました。ロシアの作曲家リムスキー・コルサコフは、過去の偉大な作曲家の楽譜を集め、研究し、集大成として作曲の教科書を作ました。作曲家はみんな、人から教わったり、本で学んだりしながら、楽器を使いこなしています。日本人作曲家で編纂した教科書には、宮川さんが作成した「楽器相性早見表」があります。オーケストラ作品の醍醐味はまさに様々な楽器が織り成す音色。その組み合わせの特徴が、この表には詳しく書いてあります。

指揮者はあの忙しい指揮の間にスコアを見る余裕があるの?

指揮者の川瀬さんに伺いました。「圧倒的にスコアを勉強している時間が長いので、基本的には覚えています。僕は、ここを練習で確認しよう、演奏で気をつけよう、というところにわかりやすく付箋を貼って目印にしています。本番もはがさないようにして、振りながらも譜面はめくっていて、ポイントを思い出して、ある意味安心感を覚えながら本番に臨んでいます。」

同じ曲でもなぜいろんなオーケストラの編曲があるの?

もともとピアノのための作品がオーケストラ曲にアレンジされる、という方法で異なる編曲版が生まれることが多いです。有名な例には、組曲展覧会の絵」があります。ラヴェルの編曲版はトランペットから、ストコフスキーの編曲版はバイオリンから始まります。番組では「ハンガリー舞曲第5番」を、宮川彬良さんが編曲。全ての楽器の特色をいかした、色彩豊かな編曲にしました。

 

組み合わせによっていろんな音色が出てくる。それがオーケストラの醍醐味
宮川彬良(作曲家)

宮川彬良(作曲家)

 

最近では、連続テレビ小説ひよっこ」の音楽を担当。テレビや舞台の音楽も数多く手がける。音楽をわかりやすく伝える演奏会を各地で開催している。